iPhoneの充電上限とバッテリー充電の最適化について
バッテリーの寿命を延ばすために、iPhoneは毎日の充電の傾向を学習します。
iPhoneのバッテリーの経年劣化
バッテリーの耐用年数には「化学的経年劣化」が関係してきます。これには、単にバッテリーの製造日からの時間の経過だけではなく、温度の履歴や充電パターンなどのさまざまな要因が複雑に組み合わさって影響してきます。充電式バッテリーはすべて消耗品で、化学的経年劣化が進むにつれて性能が低下します。リチウムイオンバッテリーの化学的経年劣化が進むと充電可能な容量が低下し、その結果、バッテリーの寿命が短くなり、最大瞬時給電能力 (ピーク電力) も低下します。iPhone のバッテリーとパフォーマンスについて詳しくは、こちらを参照してください。また、バッテリーの駆動時間と耐用年数を最大限に延ばす方法については、こちらをご覧ください。
「バッテリー充電の最適化」でバッテリーの寿命を延ばす
「バッテリー充電の最適化」は、iPhoneがフル充電したままの時間をなるべく短くして、バッテリーの劣化を防ぎ、長持ちさせることを狙いとした機能です。充電上限が100パーセントに設定されているときに利用できます。この機能を有効にすると、所定の条件下で、iPhoneは80パーセントまで充電したら、その後の充電を遅らせます。iPhone はオンデバイスで機械学習機能を使い、毎日の充電の傾向を把握するので、iPhone がある程度長い時間、充電器に接続されるだろうと予測されるときにしか「バッテリー充電の最適化」は働きません。充電器から外した時点で、iPhone がフル充電されている状態にしておくことが、このアルゴリズムの狙いです。
「バッテリー充電の最適化」が働いているときは、iPhone がいつ頃フル充電されるかを知らせる通知がロック画面に表示されます。iPhone をすぐにフル充電する必要がある場合は、この通知を長押しして、「今すぐ充電」をタップしてください。
「バッテリー充電の最適化」は、iPhone の設定時にデフォルトでオンになります。
iPhone 15モデル以降で充電オプションを変更するには、「設定」>「バッテリー」>「充電」の順に選択し、オプションを選択します。80パーセントから100パーセントまで5パーセント刻みで、充電上限を選択できます。充電上限が100パーセントの場合に、「バッテリー充電の最適化」が利用可能です。
iPhone 14モデル以前で充電オプションを変更するには、「設定」>「バッテリー」>「バッテリーの状態と充電」の順に選択し、「バッテリー充電の最適化」をオンまたはオフにします。
充電の最適化をオフにした場合、バッテリーが消耗しやすくなり、寿命が縮む可能性があります。
「充電上限」でバッテリーの寿命を延ばす
iPhone 15モデル以降では、充電上限が100パーセントの場合に、「バッテリー充電の最適化」をオンにすることもできます。iPhoneにはデフォルトでこうした設定があります。
iPhoneは、選択した上限との差が数パーセント以内になるまで充電し、その後充電を停止します。電源に接続している間にバッテリー残量が5パーセントを下回ると、充電が再開され、選択した上限との差が数パーセント以内になるまでまた充電します。
充電上限がバッテリーの寿命を延ばすのに役立つとiOSが判断した場合、推奨事項が表示されます。たとえば、「お使いのiPhoneが通常どのように使用されているかに基づき、バッテリーの寿命を延ばすために充電上限を95%にすることをおすすめします」と表示される場合があります。
充電上限が100パーセント未満に設定されている場合も、iPhoneはバッテリーの充電状態の推測精度を維持するため、ときどき100パーセントまで充電されます。
「バッテリー充電の最適化」が有効になっていない場合
「バッテリー充電の最適化」は、自宅や職場など、普段長い時間を過ごす場所でしか働かないようになっています。旅行中など、使用傾向が普段と違って流動的な場合は働きません。そのため、「バッテリー充電の最適化」を使うには、一部の位置情報の設定を有効にしておく必要があります*。この機能で使われる位置情報が Apple に送信されることはありません。
以下の手順で行ってください。
「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」の順に選択し、「位置情報サービス」をオンにします。
「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」>「システムサービス」の順に選択し、「システムカスタマイズ」をオンにします。
「設定」>「プライバシーとセキュリティ」>「位置情報サービス」>「システムサービス」>「利用頻度の高い場所」の順に選択し、「利用頻度の高い場所」をオンにします。
関連情報
デバイスの充電が予期せず止まる場合の対処法については、こちらを参照してください。
iPhone のバッテリーの充電とメンテナンス方法については、こちらを参照してください。
バッテリーの消耗が早いように思われる場合の対処法については、こちらを参照してください。
*「バッテリー充電の最適化」は、まず 14 日以上かけて充電の習慣を学習してからでないと働きません。また、iPhone を特定の場所で 9 回以上、毎回 5 時間以上充電してからでないと、「バッテリー充電の最適化」は機能しません。