Apple製デバイスでプライベートWi-Fiアドレスを使う
プライバシー対策強化のため、iPhone、iPad、iPod touch、Mac、Apple Watch、Apple Vision Proは、異なるWi-Fiアドレスを使用して各ネットワーク上で自身を識別し、定期的にアドレスをローテーション(変更)する場合があります。
Wi-Fiネットワークと通信するため、デバイスはMAC(Media Access Control)アドレスと呼ばれる一意のネットワークアドレスを使って、ネットワーク上で自身を識別する必要があります。デバイスがすべてのネットワークで常に同じWi-Fi MACアドレスを使っていると、時間の経過に伴い、ネットワークの事業者やその他のネットワーク観測者がそのアドレスをデバイスのネットワーク活動や位置情報に紐付けることがたやすくなります。そのため、ある種のユーザ追跡やプロファイリングが可能になるわけですが、これはすべてのWi-Fiネットワーク上のすべてのデバイスに当てはまります。「プライベートWi-Fiアドレス」機能はこの懸念に対処するように設計されています。
この機能のオン/オフをネットワークごとに切り替える
プライベートWi-Fiアドレスを使っても、多くのWi-Fiネットワークへの接続方法や利用方法に変化はありません。プライバシー対策強化のため、プライベートアドレスに対応したネットワークとソフトウェアすべてにおいて、デバイスがプライベートアドレスを引き続き使用できるようにします。
デバイスがWi-Fiネットワークに接続できない、接続後にネットワークリソースやインターネットにアクセスできない、またはプライベートアドレスで特定のソフトウェアを使用できない場合は、最新のソフトウェアアップデートをインストールしてから、もう一度やり直して、この機能を無効にするかどうかを判断してください。
企業やその他の組織では、Wi-Fiネットワークのセキュリティを変更しないと、プライベートアドレスが機能しない場合があります。または、MDMで定義されたネットワークプロファイルを使って、社内のWi-Fiネットワークに接続する登録済みデバイスに対し、この機能を無効にしておくという選択肢もあります。プライベートアドレスとエンタープライズネットワークの詳細については、こちらを参照してください。
iPhone、iPad、iPod touch、Apple Vision Pro
iOS 14以降、iPadOS 14以降、visionOS以降が必要です
設定アプリを開いて「Wi-Fi」をタップします。
現在ネットワークに接続していない場合は、画面右上にある「編集」をタップします。
ネットワーク名の横にある
をタップします。設定を行います。
iOS 18以降、iPadOS 18以降、visionOS 2以降を使用している場合は「プライベートWi-Fiアドレス」をタップしてから「オフ」「固定」または「ローテーション」をタップします。これらの設定の詳細については、こちらを参照してください。
以前のOSを使用している場合は「プライベートWi-Fiアドレス」のオン/オフを切り替えます。
Mac
macOS Sequoia以降が必要です
Appleメニュー >「システム設定」の順に選択し、サイドバーで「Wi-Fi」をクリックします。
ネットワーク名の横にある詳細ボタンまたは
をクリックします。「プライベートWi-Fiアドレス」の横のメニューから「オフ」「固定」または「ローテーション」を選択します。これらの設定の詳細については、こちらを参照してください。
Apple Watch
watchOS 7以降が必要です
設定アプリを開いて「Wi-Fi」をタップします。
ネットワーク名をタップします。現在ネットワークに接続されていない場合は、その名前を左にスワイプして
をタップします。設定を行います。
watchOS 11以降を使用している場合は、下にスクロールして「オフ」「固定」または「ローテーション」(表示されている設定のいずれか)をタップし、設定を選択します。これらの設定の詳細については、こちらを参照してください。
それより前のバージョンのwatchOSを使用している場合は「プライベートアドレス」のオン/オフを切り替えます。
この機能のしくみについて学ぶ
デフォルトでは、プライバシー対策を強化するため、Wi-Fiネットワークごとに違うMACアドレスを使い分けます。この一意のMACアドレスは、デバイスがそのネットワークに限って使うプライベートなWi-Fiアドレスとなります。
デバイスですべてのコンテンツと設定が消去された場合や、ネットワーク設定がリセットされた場合、デバイスは次回そのネットワークに接続する際に別のプライベートアドレスを使います。
iOS 18、iPadOS 18、watchOS 11、visionOS 2より前:
デバイスでネットワークの設定を削除した場合、ネットワークの設定が最後に削除されてから2週間経っていない場合以外は、そのネットワークで使われていたプライベートアドレスも削除されます。
デバイスがネットワークに6週間接続しなかった場合、そのネットワークに次回接続するときは別のプライベートアドレスが使われます。
iOS 18、iPadOS 18、macOS Sequoia、watchOS 11、visionOS 2以降:
デバイスでネットワークの設定を削除した場合、ネットワークの設定が最後に削除されてから24時間が経っていない場合以外は、そのネットワークで使われていたプライベートアドレスも削除されます。
「プライベートWi-Fiアドレス」機能では、以下の設定が提供されます。これらの設定はいつでも変更できます。
オフ:オフに設定すると、デバイスはハードウェアMACアドレスを使用します。
固定:固定に設定すると、デバイスはプライベートアドレスを使用しますが、ネットワークのセキュリティや最後にネットワークに接続してから経過した時間の長さに関係なく、プライベートアドレスはローテーションしません。WPA2またはより強化されたセキュリティを使用する新しいネットワークに接続する場合はデバイスはデフォルトで「固定」を選択します。
ローテーション:ローテーションに設定すると、デバイスは2週間ごとに別のプライベートアドレスにローテーションするプライベートアドレスを使用します。弱いセキュリティまたはセキュリティを使用しない新しいネットワークに接続すると、デバイスはデフォルトでローテーションを選択します。
関連情報
iPhone、iPad、iPod touchでWi-Fiに接続する方法については、こちらの記事、MacでWi-Fiに接続する方法については、こちらの記事、Apple WatchでWi-Fiに接続する方法については、こちらの記事、Apple Vision ProでWi-Fiに接続する方法については、こちらの記事を参照してください。
接続したWi-Fiネットワークに関するプライバシー警告または脆弱なセキュリティ警告の情報を含むWi-FiルーターとWi-Fiアクセスポイントの推奨設定については、こちらの記事を参照してください。
管理しているWi-Fiルーターが、新しいデバイスがネットワークに接続するつど管理者に通知する設定になっている場合は、デバイスがプライベートアドレスではじめて接続したときに通知が届きます。
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